◯アイヌ隊員

アイヌ隊員

 

隊員の中に二人の樺太アイヌがおります。

探検船が小さくなったため当初考えていた蒙古馬に代わって、急遽樺太犬に変更になったのです。

そこで二人の樺太アイヌは自ら進んで隊員になることを申し出てきたのです。

当時アイヌ民族は文字を持たないこともあって、読み書きができず軽蔑され、日本国籍でありながら、アイヌの人たちは偏見と差別により貧困に苦しめられておりました。

魚場では強制労働を強いられ、水揚げからの搾取など、いわば和人の言いなりになっていたのです。

単なる労働力に過ぎませんでした。

 

アイヌ隊員のひとり山辺安之助(やまのべやすのすけ)はこのことを憂慮して、南極探検という実践を通して、アイヌ民族を見直してもらいたい。

また 同族の地位向上と奮起を促したい一心から探検に加わることを決心したのでした。

この山辺も明治という時代が生んだ人物といってもよいでしょう。

山辺安之助は金田一京助がアイヌ語研究のために樺太に渡ったとき、研究を手助けした一人で、後に金田一(きんだいち)博士と二人で『あいぬ物語』を著しています。

文責:佐藤 忠悦(NPO法人白瀬南極探検100周年記念会 監事)

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