ようこそクイズ2018!ヒントはここ!②

探検家になるための5つ!
足りないのは?


白瀬は11歳の時に「北極探検家になる」と誓いをました。
そのために寺子屋の佐々木節齋から、「この5つを障がい守り抜け」と言われました。
その5つの事は、
「酒を飲まない」「煙草を吸わない」「お茶を飲まない」「寒中でも火にあたらない」
もう一つは何?

①結婚しない。事でしょうか?

②湯を飲まない。事でしょうか?

③お菓子を食べない。事でしょうか?

④靴を履かない。事でしょうか?


生来とも思える腕白、喧嘩好きが治るはずもなく、あきれ果てた節斎は、明治5年のある日、白瀬を呼んで 「世の中はこの金浦だけではない。江戸に出て世界を見れば、文明の進んだ諸外国がある。狭い田舎で威張っていても“井の中のカワズ”に過ぎぬ」と諭しました。

節齋は、
「世界に目を向けると、未知の大陸や海洋が多い。日本には間宮林蔵という偉大な探検家がいたのに、その後を継ぐ人がいない。このままではイギリス、フランス、オランダなどに席巻される」と教えました。

コロンブスのアメリカ大陸発見、マゼランの世界一周、北極探検で飢えと寒さのため全員悲壮な最後を遂げたジョン・フランクリン探検隊のことも教えます。

さらにはロシア軍艦が千島や北海道の近海に出没し、北辺防備の急務なことにまで話が及びます。

知教は、 「フランクリンも人間なら、この俺も人間。いつかは北極探検をやろう」と考えました。

師から話を聞いて一週間後の夜、知教は密かに節斎を訪ね 「これまでの乱暴を反省します。ぜひ探検家に育ててください」と頼み込みます。

しかし節斎は「もう一晩考えろ。それでも気持ちが変わらなかったら来い」。と答えました。

知教は翌晩も節斎の門をたたきました。
その翌日の夜も訪ねました。
ちょうど7日目の夜、そして彼の心が固いとみた節斎師匠は「よしッ、それではそのための心構えを教える。今後、この教えを生涯守れ。そして初心を貫け」とねんごろに説いたのです。

①酒を飲むべからず。

②たばこを吸うべからず。

③茶を飲むべからず。

④湯を飲むべからず。

⑤寒中でも火にあたるべからず。

これを書かせ、声に出して読ませました。

白瀬にとって人生の倫理綱領ともいうべき五つの戒めは生涯貫き通しました。

来客にはお茶を勧め、冬には火鉢も出しました。

が、自分はいつも冷たい水を飲み、火鉢から離れて談笑したのです。

ご飯も、みそ汁も、“ねこ舌”に徹しました。

甘いものと餅には目がありませんでした。

また、ワカメと昆布が大好物だったほか、月に一度、体内の物をすべて排出しなければ健康になれないと、サメ油(便通がよくなる)で天ぷらを揚げさせました。

この五つの禁忌条項を守れぬようでは、鉄も割れるという酷寒、絶えざる暴風雪に耐えることはできない。と節齋は教えたのでした。

11歳の子どもがいきなり苦行僧のような戒律に挑むとは、やはり”並の子”ではなかったようです。
その強い気性と、間を置かない決断と実行力が備わっていたようです。

それは、幼時からの「腕白」、「ガキ大将」生活のなかで自然に培われたものでしょう。

何物にも恐れぬばかりか、挑む壁が厚ければ厚いほど、ファイトをかき立てられる天与とも思われる体質、その根底にはもちろん人間の本性とも言うべき冒険心、功名心が大きく脈打っていたと思われます。

秋田金浦の冬は、寒気が痛みをおぼえるほど鋭く、また寺の天井の高い内陣や庫裡を吹き抜けるすきま風の冷たさはいいようもありません。
とても火の気なしでは耐えられるものではありません。
また、冷えた身体をあたためるには、熱い湯茶にまさるご馳走はありませんでした。
そのことごとくが禁止されたのです。

知教は必死に耐えました。

家でも寺子屋でも、またよその家に行ったときでも、火から遠く離れたところに坐ったし、出されたお茶やお湯は、絶対に飲まなかったそうです。

暖かいご飯や味噌汁なども冷めるのを待って食べたそうです。

白瀬矗の弟「知行」の長男である知燈が側で見ていて、「冬のさむいとき、お客さんが来て、囲炉裏に当たりながら話しているのに、伯父さんは、部屋の隅っこの寒いところに座って話していた。

ご飯も冷たくなるまで待って食べた。
だから人々から”浄蓮寺の変わり者”と呼ばれていた。」といっているほどでした。
(知燈は、白瀬京子の父にあたります)

こうした努力と忍耐で、知教は徐々に身体を慣らしていきました。

そして、それがすっかり習慣化するまで、2年かかったそうです。

白瀬は後に「千島探険」で2度の越冬をします。

また北極点踏破の先を越され、目的地を「南極点」に切り替えて「南極探険」を行います。

白瀬の寒さに耐えうる肉体と精神は、もちろん遺憾なく発揮されるのですが、探険を終えてからの後半生においても、この5つの戒めを守り通した一途な精神力には恐れ入ります。


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