しらせクイズ2018【第1問】Kids[no.2]

白瀬は、引っかかった凧を取ろうとして本堂の大屋根から落ちましたが、地上何メートルあったか?

(明治6年白瀬12歳)


白瀬は弟の知行をつれて、裏山で武者絵の凧揚げに熱中でした。

どうしたはずみか、凧が山の下の本堂の屋根に落ちてしまいました。

いくら糸を引いても凧はびくともしません。

ちょうど本堂を覆うように、大きな銀杏の木がそびえているので、よじ登って屋根にわたり四つん這いになっててっぺんまで登り、凧に手がとどいたと思った瞬間、ずるずると足元が滑ったのです。

そしてそのまま屋根の斜面をすべって、地面へ落下しました。

軒端から地面まではおよそ10メートルもあります。

凧揚げで本堂の大屋根から転落

弟の知行は「兄さんが屋根から落ちてくるのに驚いて、とっさに前掛けをひろげて、兄さんを救おうと必死だったが、うまくいかなかった」と言っています。

地面にたたきつけられた知教はそのまま気絶してしまいました。

知行が「兄さん、兄さん」と必死に呼びかける声で気がつき、「死んでたまるか」と言いながら、ふらふらと立ち上がったのですが、額が割れて顔が血まみれになっていたのです。

おびただしい出血と痛みで、さすがの知教も一時はしゅんとしていましたが、額のケガには池の浮草を揉んで擦り込み、ビッキ草を貼り付けて血を止め、痛みはひたすら唇をかみしめて耐えたのです。

心配して顔をのぞき込む弟に「このことは絶対に両親にしゃべるな。しゃべったら承知しないぞ!」とかたく口止めしました。

夕食の時、うつむきがちに食べている知教に、両親はいつもと様子がちがうことに気づきました。

「どうした・・・」と父が聞くと「本堂の前でつまずいて転び、額を打った」と答えました。

母は黙って絆創膏を持ってきて額に張ってくれます。

この傷はただの傷でないことを、おそらく母は見破っていたに違いありません。

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